2008年6月27日金曜日

地球温暖化について

 まもなく開催される「洞爺湖サミット」の主要テーマに、「環境問題」が取り上げられる事もあり、このところ、「地球温暖化」に向けた国はもちろん、各自治体、企業の取り組みが連日テレビ、新聞等で報道されていますが、私個人としては、温暖化防止の取り組みに協力的であったかというと、必ずしもそうではなかった様な気がします。

 ところが一ヶ月程前、2週にわたるNHKスペシャルの「北極大変動」を見てから、その事態の深刻さにハンマーで頭を殴られた様なショックを覚えました。

 第1週は、「氷が消え悲劇が始まった」です。

 地球温暖化の波が北極まで押し寄せ、かっては4メートル以上もあった北極点の氷が、今では70センチという。従って北極海の氷の面積も、2007年9月には1980年の6割以下に縮小。そして、この氷の減少の影響を最も受けているのが、北極圏の生態系であり、なかでも、ホッキョクグマは氷がないために、えさとなるワモンアザラシが少なくなってしまい、この事がホッキョクグマの親子に過酷な運命をもたらすことになる。

 また、温暖化が生態系にもたらす影響を調査するため、ホッキョクグマの親子に発信器をつけて行動を追跡しますが、最後は、親子別々の場所で、飢えのために死んでしまう模様が映像として映し出された時は「なんとむごい!!、この親子は人間のエゴに殺されたんだ」と切実に思うと同時に、すごいショックを受けました。

 第2週は、「氷の海から巨大資源が現れた」です。

 地球温暖化による海氷面積の縮小により、今度は北極圏の海底に眠る無数のエネルギー資源が人間の欲望に火をつけ、新たな資源開発競争を起しているという話です。
 エネルギー大国のロシア、石油輸出大国のノルウェー、砕氷タンカーの建造の韓国等が、この競争に参入しています。
 しかし、北極の資源開発が新たなCO2排出を招き、「負の連鎖」を引き起こすとか。しかしこの連鎖を食い止める為に、ノルウェーでは、CO2を地中に封じ込める試みも始まったという話です。

 いずれにしましても、「地球温暖化」は地球規模での重要テーマであり、従って、「ポスト京都議定書」といわれる「洞爺湖サミット」での国際的枠組み作りの為の真剣な討議が行われる事を祈るばかりです。

 話は私事になりますが、今から40年程前、東京の都電が交通渋滞の解消の為に、廃止が決定した時、今は亡き父が、「何と愚かな施策なんだ。車の輸送効率に比べて、都電の方がはるかに大きいのに、馬鹿な事を考える」とよく言っていました。その時家族は「では、交通渋滞はどうするの?」と訊くと、「車の生産を落とせば良いのだ」と。「車の増加は排気ガスの増加に繋がるのだ、将来が思いやられる」と。

 しかし、当時は3Cと言って、カー、クーラー、カラーテレビを購入する事がステータスみたいな風潮があり、私などもその欲望には勝てず、父の持論には「フムフム」と頷いていたものです。

 最近、若者の車離れが加速し、売り上げ台数も減少に転じているらしく、又路面電車も世界では復活の傾向が顕著であります。

 これらの事を考えると、父の「先見の明」に改めて敬服します。

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