2008年1月20日日曜日

城ヶ島・鎌倉見聞録(50年ぶりの“修学旅行”)

《同期会出席の前に足を延ばす》
 中学生のとき、修学旅行は確か鎌倉・江ノ島だったはず。しかし、どこを訪ねたのか記憶にない。覚えているのはトイレのことばかり。旅行中、下痢をして見学どころではなかったからだ。そんなこともあって昨年暮れ、東京・墨田区で開かれた首都圏在住者の同期会に出席した際、五十年ぶりの“修学旅行”と思いながら三浦半島の城ヶ島と鎌倉に足を延ばした。城ヶ島は「雨はふるふる城ヶ島の磯に 利休鼠の雨がふる…」のメロディーに惹かれたほか、利休鼠と表現された“ねずみ色”を見たい―という思いもあった。12月8日午前6時04分、山形駅発の「つばさ172号」に乗り東京、横浜で乗り換え11時過ぎに三浦半島の先端、三崎港に着いた。

《利休鼠ではなく青空の城ヶ島》
 三崎港は全国でも有数のマグロ漁港。昼食はマグロ以外に考えられない。港近くの鮨処で、おすすめ鮨と大トロを食べた。味をとやかく言うほどの食通ではない。とにかく美味しかった。そして満足した。2週間ほど前、家内と伊勢・志摩を旅行して松阪肉、伊勢エビ、志摩アワビ、的矢カキ、安乗フグと、三重ブランドを食べてきたばかり。そして三崎マグロと続いた。テレビ放送などで土地の名産・名物が紹介されると無性に食べたくなる。家内からは「食い意地ばっかりね。先を急いでいるんじゃないの」と皮肉られたりもしている。

《白秋記念館~灯台~海岸線~城ヶ島大橋を歩く》
 腹を満たしたところで城ヶ島を目指した。三崎港から定期バスに乗り、まずは城ヶ島大橋のたもとにある北原白秋記念館と白秋碑を見学した。白秋記念館は入場無料。館内には「ゆりかごの唄」や「砂山」のメロディーが流れ、白秋の遺作や遺品、年譜などが展示されていた。白秋碑は記念館前の砂浜に建っている。この日はよく晴れた一日。青空が広がり、唄にあるような灰色がかった“利休鼠”の島ではなかった。
 むしろ絶好の散策日和。白秋記念館から城ヶ島灯台、奇岩・馬の背洞門、ウミウ展望台、県立城ヶ島公園などを歩いて回り、最後は城ヶ島大橋も歩いて渡ってきた。城ヶ島大橋は観光パンフレットによると長さ575㍍、高さは21㍍。三崎と城ヶ島を結び、城ヶ島のシンボルでもあるという。橋の両側にはゆったりした歩道があり、散歩やジョギングする人の姿も見られた。この日は横須賀に泊まり、翌9日の午前中、鎌倉を訪ねた。 (写真は城ヶ島大橋と白秋碑)

《イケメンの大仏さま》
 鎌倉では大仏と鶴岡八幡宮に寄った。大仏は高徳院という寺のご本尊。高徳院は江ノ島電鉄・長谷駅から歩いて約10分。日曜日で8時を少し過ぎたばかりだったが、数人の先客がいた。大仏は座った阿弥陀さま=写真左=。高さは約13㍍という。朝の光に包まれた阿弥陀さまは、与謝野晶子が詠んだようになかなかハンサムだった。その晶子の歌碑もあった。読めなかったが「鎌倉や みほとけなれど釈迦牟尼は 美男子におわす夏小立かな」と彫ってあるらしい。
 境内をひと回りした後、長谷駅近くの由比ガ浜にも足を延ばしてみた。夏は多くの海水浴客やサーファーでにぎわうらしい。この日はウィンドサーフィンの若者が大勢繰り出していた。長谷駅から鎌倉駅に戻り、鎌倉駅前から若宮大路に出て鶴岡八幡宮に向った。
《若宮大路から鶴岡八幡宮へ》
 若宮大路は由比ガ浜から鶴岡八幡宮まで続くらしい。源頼朝が妻・政子の安産を祈願して造らせたと伝えられる。最初は歩道を歩いた。しかし、途中から道路の中央に一段と高い道があり、歩けるようになっていた。ためらうことなくこの道に上がり、八幡宮を目指した。歩く道の両側は二段くらいの石垣(?)になっていた。後で知ったのだが、両側の石は葛石(かずらいし)というものだそうだ。道は「段葛(だんかずら)」と呼ばれ、国の史跡にもなっているらしい。恥かしい話だったが、何も知らなかった。とはいえ旅に出るとよくあることでもある。いずれにしても、歴史のある道に足跡を残すことができて良かった。
《静御前も舞った歴史のステージ》
 鶴岡八幡宮に近づくと雅楽の調べが流れ、大きな石段の前の舞台で結婚式が行われていた。「舞殿」というところで昔、静御前が頼朝を怒らせた舞台でもあるという。義経を慕う静御前は、頼朝の前で堂々と「義経が好き」と歌い、舞ったらしい。「何百年の時を越え、昔人と同じ空間にいる」。そう考えると、いつも得をしたような気持ちになる。自己満足ながら史跡めぐりの魅力と思っている。
 大きな石段の中腹脇にそびえる大イチョウも将軍暗殺の場として広く知られている。樹齢千年とか。黄葉の盛り。黄色が青空に映え、とても美しかった。石段を上りきって本宮を参拝。帰りは若宮大路とほぼ並行している小町通りを歩いて鎌倉駅に戻った。この後はJR横須賀線で東京に向かい、12時半からの同期会に出席した。(写真は歴史のステージとなった大イチョウと舞殿)
《JRの割安きっぷを利用》
 今回の上京にJR列車が3日間乗り放題で12,000円という割安きっぷを利用した。新幹線指定も6回まで利用できる。函館や福井まで行けるほか、伊豆急行の「スーパービュー踊り子」号にも乗れる。9月の伊豆半島旅行に次いで2度目の利用だが、割安な経費で三浦半島の小旅行ができたほか、同期会にも出席できた。できたら同期会はこうした割安なきっぷが利用できる時期に開催してほしいものだ。(小笠原英雄記)

4 件のコメント:

ジロー さんのコメント...

 大変不躾な質問ですが、修学旅行中下痢をされたとの事、何が原因だったんですか?
 私は、鎌倉の宿泊先も憶えていないのですが、ただ一つ記憶にあるのは、確か帰郷のための夜行列車を上野公園で待つ間、どこからともなく島倉千代子の「この夜の花」が聞えて来て、一緒に口ずさんだ事です。

oga さんのコメント...

 原因までは覚えていませんでした。ただ、子供の頃は水に弱いというか、親戚の家など他所へ行くと、よく水あたりをしていたようです。その延長だったかもしれません。
 鎌倉の宿泊先、何処だったんでしょうね。覚えている方、いらっしゃいませんか?

sizu さんのコメント...

12月9日の首都圏在住の方々の同期会の参加、ご苦労様でした。このような旅行にドッキングさせるなんてうらやましいですね。
2番目の兄が江ノ島の片瀬海岸に住んでおりまして、冬の鎌倉、江ノ島もいいよと勧めてくれるんですがなかなか行けなくております。
 JRの割安切符を上手く利用するのがベターですね~。いいことききました!!。

oga さんのコメント...

 二番目のお兄さんは「サトルさん」とおっしゃる方でしたか?。小学生の頃、毎日のようにお不動さまの境内で遊んでいただきました。懐かしいせすね。