2010年1月31日日曜日

続・うがい

 当たり前の事かもしれませんが、
方言とか話し言葉は、
目から入ってくるものではなく、
耳から入って来るもので、
活字にすると読みにくいというか、
分かりにくいものがあります。

 先日投稿した「多い」という意味の「うがい」は
「うがえ」とか「うっがえ」とも言われ、
上山・山形在住の同級生の皆さんも
使ったことがあるのではないでしょうか。

 庄内地方の人たちは「うげ」とか「うげえ」と
言っていたような気がします。
県内の一部では「えがえ」という所もあるそうです。

 雪子さんからご指摘をいただいた語源が気になり、
図書館で調べてみました。
方言辞典や地方の言葉を研究してきた人たちの書籍によると、
山形弁の「うがい」「うがえ」は、
古語の「厳(いか)い」「厳(いか)し」から
転じたという説が採られているようです。
 
 「厳(いか)い」「厳(いか)し」を
辞書で引いてみると、いかめしい、おごそか、
荒々しい、猛々しい、はなはだしい等のほか、
大きい、多いの意味があるようです。

 「いかいこと」といえば「多いこと」
「多いさま」なのだそうです。

 「厳(いか)いことは、厳(いか)きことにて甚だしきこと。
転じて物の数多(あまた)なること。
仰山とか沢山の意なり」と書かれたものもありました。
 
 「大きい」「多い」を意味する「いかい」「いがい」という方言は
関東、東海、北陸、近畿、山陽、山陰など
広い範囲で使われてきたようです。
県外在住の同級生の方々も
耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 東北地方では使われなかったようですが、
山形弁の「うがい」「うがえ」「えがえ」等は
「いかい」「いがい」から転じたと
推測されているようです。

 でも、なぜ山形だけに?ということに言及した
項目は見つけることができませんでした。
 
 東北地方の方言は藩政時代の領域に
通じるものがある-ということから、
三河武士の鳥居忠政という殿様が
山形城主になったときに、方言も持ち込んだ?
などと勝手に推測したりもしていますが、
「いがい」の「い」が何故「う」に転化して
「うがい」となったのかは分かりませんでした。

 とがい(遠い)、つったい(冷たい)、ぶんど(葡萄)、
ほえぢょ(包丁)、あまごえ(甘い)、やっこえ(柔らかい)、
くっどき(来るとき)-といったような
山形弁の方式(?)に当てはまるものがあるのかどうか。
 
 方言一つでも調べてみると楽しいものでした。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ご説明、ありがとうございました。歴史を感じますね。今日、仙台出身の友人に会うので、プリントして、持っていきます。雪子