2010年4月27日火曜日

蔵出し・時速5㌔の伊勢参詣⑦

6日目:西那須野町~矢板市~宇都宮市

《雨具を着用》
朝から雨。初めて雨具を着用し、リックにはビニールカバーを掛けた。
このためサイドポケットに立てていた樫の棒は、手に持って歩くことになった。
山形市内のホームセンターで買ったのこぎりの柄。長さは60㌢ぐらい。
金山峠など山間部を通るときの護身用に持ってきたものだ。
握りの部分が丸く、先端は四角で平らになっている。
疲れたときに肩とか太もも、ふくらはぎを軽くたたいて刺激を与えるのに都合が良かった。
道中、何かと役に立つだろうと思い、捨てないでリックのサイドポケットに入れていた。

《矢板市内で職務質問を受ける》
ところが、この日は手に持っていたために、警察官から職務質問を受けてしまった。
手に持っているだけでなく、人通りのない沿道では木の枝や雑草を
テニスのボールに見立て、サーブやボレーの真似をしたり、
ときには野球のバットスイングのように振ってみるなど、結構、振り回しながら歩いていた。

これが雨の中を合羽姿で歩き、しかも凶器(?)を振り回す不審者と見られたらしい。
矢板市郊外の国道4号でパトカーから降りてきた警察官2人に呼び止められた。
通りかかりの車から通報があったということだったが、
自分たちがパトロール中に目撃して不審に思ったのかもしれない。
いずれにしても怪しいものに見えたということだろう。

行く先、目的にはじまり住所、氏名、年齢、職業、電話番号のほか、
振り回していた樫の棒の用途を尋ねられた。
運転免許証を提示し、還暦・定年退職の記念に歩いて伊勢参りに行く途中であること、
歩くのは日中だけ、夜は民宿やビジネスホテルに宿泊していることなどを話し、
樫の棒については疲れてときに肩や足をたたくマッサージ器のようなものだと説明した。

山形から三重県まで歩くと聞いて2人ともびっくりしたようだったが、
事件に関連するようなことがないと確認したらしく、
事故に遭わないように注意して歩いてくださいーと言ってパトカーへ戻っていった。

《氏家町から鬼怒川を渡って河内町へ》
その後も雨の中を歩き、11時ころ国道4号沿いにある矢板トラックターミナルの食堂で
朝食を兼ねた昼食を取った。この日は朝6時20分ころ出発し、国道4号を南下した。
大田原市から矢板市に入り、氏家町に抜ける。雨の中で朝食をとるチャンスを逸し、朝食と昼食を兼ねることになった。
ボリュームのある野菜炒め定食で空腹を満たし、
正午前にトラックターミナルを出た。雨はまだ降っていた。
晴れ間がでたのは氏家町に入ってから。
通りがかりにユニクロの店があったので、下着2枚と長袖シャツ1枚を買った。

長袖シャツはその後、洗濯をしながら伊勢、奈良まで着ることになった。
氏家町の中心部を過ぎ、上阿久津という所からかつての奥州街道に入り、鬼怒川を渡った。
上阿久津は鬼怒川水運の要所で渡河場になっていたらしい。鬼怒川の対岸は河内町だった。

《左足に痛み、オーバーワーク?》
鬼怒川を渡るあたりから左足首の上部に違和感が出始めた。何か突っ張るような感じ。
トレーニングで自宅から上山市楢下を往復したときも痛みを感じたところ。
少しずつ筋肉が硬くなるような感じ。ストレッチをしながら騙そうとしたが、痛みも出てきた。
もしかすると疲労性の肉離れ(?)。ホテルを予約してある宇都宮まではまだ10㌔以上もある。
だが、歩き続けるしかない。途中、杉並木が残る白沢街道で何度か休みながら宇都宮にたどり着いた。
《ホテル代が半額、定年感謝祭というキャンペーン》
 宿舎はJR宇都宮駅西口近くの「東横イン」というビジネスホテル。
郡山でも泊まったホテルだが、チェックインの手続きを取っていると、
フロントの係員から「お客さんの身分を証明できるものがありますか」と聞かれた。

年齢を61歳と記入したためだが、定年感謝祭というキャンペーンで
日曜日と祝祭日は60歳以上なら半額になるという。
この日は職務質問に次いで2度目の運転免許証の提示だったが、
ホテル代が半額になるというので今度は喜んで提示した。
ちなみにこの日の宿泊費は3,675円で済んだ。

機会があったなら、また利用しようと思ったが、この後は日曜日と祝祭日に
宿泊した都市に「東横イン」がなく、甘い汁を吸えたのは1度だけだった。
(続く)

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

小笠原さん

大変でしたね。警官の尋問に会うチャンス?って、あまりないでしょう・・・。私だったら、ドキドキしてしまいます。

でも、他人から見て、棒を振り回して歩いていたら、おかしいかもしれませんね。

矢張り、洗濯物はリュックサックにかけて干されましたか・・・。

そして、半額で泊まれてよかった!

また、明日が楽しみです。

雪子