2010年4月17日土曜日

時速5㌔の伊勢参詣③

【2日目:七ヶ宿町~桑折町~福島市】

《絶景の七ヶ宿ダム右岸》 

午前6時に朝食。6時半に本陣旅館を出た。さわやかな青空。朝の日差しを正面に受けながら、まず福島県の桑折町を目指した。夜、ぐっすり眠ったせいか前日の疲れはない。足も軽い。
 
出発して間もなく七ヶ宿ダムの上流部に出た。ダム周辺は自然休養公園として整備されている。
ダムの規模は山形県の寒河江ダムに次いで東北2番目になるという。宮城県南部の水がめでもある。
ダムの左岸を国道113号が走る。早朝から大型車が多い。朝の通勤時にも掛かる。国道113号を避け、対岸(右岸)の道路を通ることにした。

途中から1車線になり、カーブやトンネル、橋が多い。所々に車の待避スペースが設けられていた。

しかし、景観が素晴らしい。何度もカメラのシャッターを押した。とりわけ残雪の南蔵王連峰が湖面に映えて美しかった。

2時間近く歩いても通る人はもちろん、1台の車とも出会わなかった。およそ10㌔の空間を一人占めにしたようで、何か得をしたような気分でもあった。

《小坂峠から福島県へ》
ダム下流に奇岩で有名な「材木岩」がある。高さ100㍍ぐらい。材木を並べたような岩肌が目の前に広がる。この材木岩の近くから藩政時代の宿場だった下戸沢、上戸沢を通って小坂峠に向かった。

小坂峠は宮城県と福島県の県境でもある。緩い上りが続き、気温も高い。水分を切らさないように心掛けた。県境近くの街道沿いに朱塗りの鳥居が並ぶ神社の参道があった。奥に萬蔵稲荷という稲荷神社があるという。
このお稲荷さんを過ぎると間もなく県境だった。県境についたのは11時を少し回ったころ。眼下に福島県側の眺望が開けていた。しばらく道端に腰をおろし、この景観を楽しみながら休憩の時間を取った。

福島県側は急な下り坂。ヘアピンカーブが続き、
日光の「いろは坂」を思い出した。車に注意しながら走るようにして下った。
《羽州街道と奥州街道の分岐》
桑折町に着いたのは正午過ぎ。羽州街道と奥州街道が分かれるところ。古くから「桃の里」として知られ、伊達家発祥の地とも伝えられる。

宿場町の面影をたどりながら町の中心部を歩く。伊達町の近くで国道4号に出た。 予定ではこの伊達町あたりに二日目の宿を取るつもりだった。

だが、伊達町で午後1時を過ぎたばかり。しかも福島市の中心部までは10㌔弱。あと2時間ぐらい頑張れば行けないことはない。

電話で福島市内のビジネスホテルを予約し、国道4号を南下した。足取りは重くなったが、休まず歩けば遅くとも16時まではホテルに着けるはずだ。
 
福島市内の国道4号はこれまで一度も通ったことがなかった。このため沿道の街並みにけっこう目を奪われる。福島競馬場も外観だけながら初めて見ることができた。
15:40頃、予約したビジネスホテルに着いた。場所は国道4号と13号の交差点近く。
初日と合わせ歩いた距離は90㌔ぐらいになっただろうか。
明日は郡山を目指す。距離は45㌔ぐらい。
朝6時に出発すれば休憩や食事の時間を含めても17時ころまでに着けるだろう。
(続)

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